バンドマンイトーさんの見た世界
ドラえもんのび太と銀河超特急

「ドラえもん のび太と銀河超特急」をスネ夫のメタフィクション的発言から切り込む!

「ドラえもん のび太と銀河超特急」をスネ夫のメタフィクション的発言から切り込む!

 

どうも。伊藤さんです。

早いものでこの「ドラえもん のび太と銀河超特急」の感想も

既に3回目となります。

 

ちなみにまだまだ終わりそうもありません。

 

一つの映画でどれだけの文章量を書いているんだという突っ込みを

自分自身にもしたい今日この頃です。

 

しかしながらいつ終わるかわかりませんが、

これだけの回数をもってしないと語りつくせないほど、

この映画は素晴らしいものに仕上がっていますので、

余すことなく紹介していきたいと思います。

 

前回までの記事はこちらを参照ください。

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メタ発言から見るドラえもん劇場版

 

さて、前回はドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかの

毎度おなじみの5人でミステリートレインのツアーに出発したところで終わりました。

 

この後劇中では突然ミステリートレインが、

「ダーク・ブラック・シャドウ団」という

宇宙をまたにかける盗賊団に襲われます。

 

おなじみのメンバーはどこでもドアで地球にいったん逃げ帰ろうとしますが、

なんと盗賊団により超空間が封鎖され、

どこでもドアがただのドアとなってしまいます。

 

そんな危機的状況にいつものメンバーは震え上がるのですが、

ここでのび太が立ち上がります。

 

「やっと面白くなってきたじゃない!

僕たちはいつもこんな困難に立ち向かってきたじゃん!

今度も乗り切ろうよ!」

 

そんなセリフで他のメンバーを鼓舞します。

 

そこですかさずスネ夫が、

 

「のび太って映画になると急にかっこいいことをいう」

 

っとメタフィクション的発言をします。

 

 

個人的にはこの映画の中で非常に好きなセリフです。

 

メタフィクション的発言は、

作中に入り込もうとしている視聴者を急に現実に戻す発言であるため、

とても興ざめする発言だと感じる人も多いのではないでしょうか。

 

実際僕自身もメタフィクション的発言は、

大人になった今はあまり好きな演出ではありません。

 

 

しかしながらドラえもんは別です。

 

 

いや、別にドラえもんだからなんでも許しているわけではないですよ?

 

論理的になぜ僕の好きなセリフなのかを考えたときに、

恐らく現実にドラえもんがいるかもしれないと想像させるようなセリフであるから

好きなんだと思います。

 

なぜスネ夫のセリフに心ときめくのか?

 

順をおって説明します。

 

 

まずドラえもんは現実にいません。

それは子供心でもすぐに気づくことです。

 

「これは漫画、アニメの中の空想の存在なんだ」

 

子供でもその発想に至るわけです。

 

しかしながら子供心としては、

 

「でもドラえもんがいたらなー」

 

と思うのではないでしょうか。

っというか、大人でもそう思いますよね。

 

でも子供と大人の違いは、

その淡い期待を捨てきれないところにあるのではないかと僕は思います。

 

 

「現実にはいるわけないけど、もしかしたら……」

 

大人になってしまった今、ありえないことはわかるわけですが、

この世界をまだよく知らない子供からすると、

そんな期待を胸の隅にしまっている可能性も十分にあるわけです。

 

そんな子供に向けられたセリフが、

先にあげたメタフィクション発言なのです。

 

「のび太って映画になると急にかっこいいことをいう」

 

このセリフはドラえもん映画を見ている子供たちならだれでも感じることなのです。

 

普段頼りになるドラえもんが頼りにならなくなる……

普段弱虫なのび太が勇気あふれる少年になる……

普段誰に対しても傲慢なジャイアンが友達想いになる……

 

そんな劇場版ドラえもんなのだから、

先のセリフはすごく的を射ています。

子供たちも納得のセリフとなっているわけです。

 

ではなぜこのセリフが僕は好きなのか。

 

それは子供たちに夢を与えるセリフだから好きなんだと思います。

 

劇場版になるとキャラクターの性格が変化するという事実は、

その映画を見ている子供たちの認識なのであって、

決して劇中のキャラクターはそれを認識していません。

 

しかしながら、この映画の中ではメタフィクション的な発言をしてしまうわけです。

 

多くの人がメタフィクション的発言を嫌う理由に、

急に現実に戻されるからと僕は説明しました。

 

つまり、メタフィクション発言=視聴者しかしらない情報だから、

現実に戻されてしまうのです。

 

 

これを逆に考えると、

本来知りえるはずもない情報を劇中のキャラクターが知っているということは、

現実でドラえもんを見ている僕たちにキャラクターが近づいてきたという

錯覚を与えているのではないかと思います。

 

 

そのような錯覚を、

ドラえもんがいるかもしれないとまだ信じている子供たちに与えることで

親近感を沸かせ、

ドラえもんがいるという幻想をより強固なものにするのではないでしょうか。

 

整理しますと……

 

劇中のキャラクターが本来は視聴者しか知りえない情報を知っている

現実にドラえもんが侵食しているという錯覚に陥る

心のどこかでドラえもんの存在を夢見ている子供たちの想いをより強固にする

 

このようにスネ夫の

 

「のび太って映画になると急にかっこいいことをいう」

 

というメタフィクション的発言は子供たちに大きな夢を与えているのだと思います。

 

そんな感じで僕はこのセリフが結構好きなのです。

 

最後に一言

 

さてはて、そんなこんなで一つのセリフについて

めちゃくちゃ熱く語ってしまったわけですが……

 

結局映画の内容は進んでおらず、

第3回目にもかかわらずまだ冒頭20分地点について

感想をつらつら書かせていただきました。

 

っというか一つのセリフに対して

ここまで熱く語れるなんて自分でもびっくりです。

 

自分でも何がしたいのかよくわからないレビュー記事になっていますが、

しばらくこの調子で続くと思いますのでご愛嬌ということで……

ドラえもん のび太と銀河超特急関連の次記事はこちら

 

「ドラえもん のび太と銀河超特急」のドリーマーズランドに行きたい!「ドラえもん のび太と銀河超特急」のドリーマーズランドに行きたい! どうも。伊藤さんです。 さて、今回もまたこり...

 

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イトーさん
とあるバンドのキーボード担当。 でも音楽は全くしていない。そんなバンドマン。

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